母乳の色
母乳の色はさまざまです。
初乳の黄色から前乳の薄い青みのある白から後乳の濃い白など、成分の違いが色を変えています。
ここで写真つきで書いたことがあります。(下に同じ写真を載せます)
白いのは脂肪が多いからだといわれます。ではそれはなぜ?と考えてしまうのが理系なところなのでしょう。
白く見える、というのは、目に見える光(可視光線)が全てはね返っている状況だと考えられます。
葉っぱが緑なのは、緑色以外を葉っぱが吸収しているから、と高校のときの化学の先生がおっしゃってました。
実はこの疑問、「牛乳はなぜ白い?」という質問ならネットに山のようにあります。
鍵は脂肪球とたんぱく質のサイズにあるそうです。
可視光線の波長はwikipediaによりますと、380-750nm(ナノメートル、3.8*10-7~7.5*10-7m)です。
脂肪球は以前出てきたように直径1-15μm(マイクロメートル、1*10-6~15*10-6m)です。
脂肪球の直径は波長の約10倍ほど長いようです。
光は粒子のサイズによって、3つの散乱をします。
粒子のサイズ>波長 非選択的散乱
粒子のサイズ≒波長 ミー散乱
粒子のサイズ<波長 レイリー散乱
ミー散乱と非選択的散乱の場合は、様々な波長を散乱するので白く見えます。
レイリー散乱は波長の短い光、つまり青をよく散乱するので青く見えます。
空が青いことや、タバコから立ち上る煙が青っぽいのもこのためだそうです。
脂肪球は
脂肪球の直径 1*10-6~15*10-6m > 可視光線の波長 3.8*10-7~7.5*10-7m
なので非選択的散乱が起こって白く見えます。
脂肪分が少ない場合は、たんぱく質の粒子によって主に散乱される光をみることになります。
たんぱく質の粒子のサイズは、そのものずばり!が見つかりません。乳のwikipediaにはたんぱく質は直径40-600nmのカゼインミセルとなっているとあります。牛乳か人間の母乳かはわからないのですけど。
様々なサイトを調べましたが、意外と牛乳のカゼインミセルのサイズの表記にはばらつきがあります。調べた結果、多くは波長より小さい直径のものが多いようです。
*波長より小さなカゼインミセルはレイリー散乱を起こし、青く見えます … (1)
*大きなカゼインミセルや少々の脂肪球はミー散乱や非選択的散乱により白に散乱しますので白く見えます … (2)
結果として、乳脂肪が少ない場合(前乳)は上記(1)+(2)=少し青みがかった白に見える、ということだそうです。
実際脱脂乳は少し青みがかって見えるそうです(脱脂乳の色については牛乳関連の複数のサイトに書いてありました)。
参考文献(サイト):wikipedia 光、乳、レイリー散乱など。
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