胸がはってきた~!
ミーナさんに赤ちゃん(あみちゃん)が生まれて3日たちました。
生後1日目はしょっちゅう母乳をあげていることをお母さんに「足りないからでは?」といわれ、落ち込んでいました。
産院のスタッフから、赤ちゃんの胃のサイズと乳汁生成期の話をきき、元気付けられたミーナさん。せっせと授乳していると3日目には教えてもらったとおり胸が張ってきました。
あみちゃんが夜起きなかったので、ミーナさんは起こすのはかわいそうかな?と感じて、授乳の時間がいままでになくあいてしまいました。朝起きると胸がぱんぱんです。ちょっと苦しいくらいなので、部屋にきてくれたスタッフに相談しました。もしかしたら正常な生後3日目の張りかもしれませんが、ミーナさんは時間が開いてしまったことが原因かもしれないと自己分析しています。
張りをとるためにいちばん有効なのは、赤ちゃんに飲んでもらうことです。赤ちゃんが飲みきれないくらい張っていて苦しいときは、少し苦しさを減らす程度に搾乳する必要があるかもしれません。
赤ちゃんの体重増加が少なめの場合は、飲んだ後にも搾乳してFILの働きを抑えてどんどん母乳が作られるようにする必要がありますが、赤ちゃんが飲みきれないほどの量を作っていて苦しいときにすっかり「空」(空にはなりませんが、空と思えるほど)まで搾乳すると、身体がさらにどんどん母乳を作ってしまいます。そこで少し楽になる程度しぼることは、母乳を作りすぎず、量を調節するのに役にたちます。(FILについてはこちらを見てください)
夜起きなかった、とミーナさんは言っています。赤ちゃんの欲しがるサインをミーナさんは覚えているでしょうか。泣いてからでは遅めのサイン、と言われています。ちょっともぞもぞ動き始めたところで授乳すると、もしかしたら胸のはりがひどくなるのを予防できるかもしれません。
sari自身は生後7日目に乳腺炎になった以外は張りすぎて困るという経験はないのですが、第1子のときに同じ頃に赤ちゃんを生んだ友達が張りすぎで苦しんでいました。彼女は第2子を生むのが怖い、それは陣痛のつらさよりも胸が張りすぎることが辛すぎたからと言ってました。その印象はとても強かったです。そして彼女のお子さんはたくさん飲んでいるはずなのになぜか体重の増え方がゆっくりでした。たしか彼女はそのときに「しぼれば200ccも薄い母乳が出る」と言っていました。当時は私にはわからないことだったけど、今ならわかります。彼女は前乳と呼ばれる母乳がとてもたくさん出る人だったんだと。前乳と後乳についてはここで少しふれています。
この写真は、sariの妹の母乳です。左が赤ちゃんが飲む前にちょっとだけしぼってもらった「前乳」
右が赤ちゃんが満足するまで飲んだ後にしぼってもらった「後乳」です。
後乳のほうが色が濃くみえるのは、脂肪濃度が前乳よりも高いせいです。脂肪が白く見えています。
(この写真はDr-bewithyouさんのブログでも紹介していただきました)
sariの友達の話に戻ると、彼女はしぼれば200ccも前乳が出たように思えます。たしかあの頃の私たちがお世話になった産院では、片方を赤ちゃんが満足するまで飲ませてから反対側を飲ませるのではなく、時間で区切るように情報提供されていました。となると、彼女の赤ちゃんは両方の乳房の前乳をたくさん飲んでいて、脂肪分が後乳よりも少なかったために、飲んでいる量にもかかわらず体重の増え方がゆっくり目だったのかもしれません。
両方の母乳をバランスよく飲むためにも、片方を赤ちゃんが満足するまで飲んでからもう片方の乳房にうつるという方法がすすめられています。
母乳が出すぎて困るというのは、母乳が足りないみたい…という悩みの人からすればたいへん贅沢な悩みのように一般的に思われていますが、当事者にはとてもとても辛いことなのだと、友人の経験談からsariは知りました。
お母さんの悩みに深い、浅いはありません。どなたの悩みも大切に考えるべきことだとsariは思います。
ちなみに、生後初期の張りすぎを予防するには、赤ちゃんが効果的に飲み取れるように、そして赤ちゃんのニーズに合わせた授乳をすることが大切です。
また、どうにも母乳を作りすぎてトラブルになるようだ、という場合は対処法があります。方法を知るだけではなく、気持ちの面のサポートもお母さんに必要ですので、母乳育児に詳しいエキスパート(IBCLCや母乳育児支援団体のリーダーなど)にきくことをおすすめします。
参考文献:ペリネイタルケア2009年夏季増刊「すぐ使える!70の事例から学ぶ母乳育児支援ブック」メディカ出版
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