お宮参りで乳腺炎 3 対処法

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やっと乳腺炎の対処法、に来ました。
ミーナさんは、乳腺炎には母乳を赤ちゃんに飲んでもらって出すことが大切だと教わりました。そして出された薬のことが心配なようです。(お薬のことは次回以降に書きます。)
前々回、乳腺炎の仕組みを書きました。
前回は脂肪球について考えました

母乳がいつものように流れ出ないと、腺房という母乳を作る袋がいっぱいになります。
ぱんぱんにたまると、普段はつながっている袋のスキマが開いてきます。そこから母乳の成分が出てきて、炎症を起こしたり、むくみをおこしたりします。また、腺房をとりまいている毛細血管にも影響を与え、流れが悪くなります。
すると、むくみでリンパ管の流れが圧迫されて滞り、リンパ管で運ばれるはずのものが乳房から出て行かずたまってしまいます。もっと悪くなると、細菌がたまって膿瘍というものになることもあります。
これが乳腺炎の仕組みです。

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腺房がぶどうの実だとしたら、枝で1つになっているように、乳房の中もあんな感じで多数の腺房からの管が合流して母乳の出口につながっています。
通常は腺房を作っている細胞のスキマは閉じています。母乳が滞っていっぱいになると、細胞のスキマから母乳がもれます。腺房の周りはマスクメロンの表面のように血管が張り巡らされています。周りにリンパ管もありますので、血管やリンパ管に影響を及ぼし、炎症を起こします。
よく「詰まっている」という言い方をしますし、英語でも plugged duct なので「何かが」詰まっているとイメージしてしまいます。でもその「何か」は滞った母乳なので、母乳を外に出し流れをよくすることが必要なのです。
前々回、ドレスアップ(下着も)やおんぶひもも原因と書きました。これは乳管が圧迫されて母乳が滞ってます。
庭にホースで水をまくときに、ホースが途中で折れ曲がったり、何かの下敷きになっているとなかなか出てきませんよね。そんなイメージです。そして、水道の蛇口をひねってもホースの先の栓をとめていたら、栓のすぐ下のホースがぱんぱんに膨れますよね。これは授乳間隔がいつもより開いてしまったときのイメージです。
母乳のあげ方にもいつもと違うコツがあります。しこりを感じたり、赤みが見られる部分を赤ちゃんのあごのほうになるように授乳姿勢を変えてみる、というのです。まんべんなく飲みとってもらえるように、↓の図のような方法も良いかもしれません。
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ナニソレ~(笑)!と思うかもしれませんが、乳腺炎はとにかく辛いです。治るならなんでもやってみようという気にsariはなりました。熱でふらふら、イタイ、不安、自分だけじゃなくて赤ちゃんのことも心配でした。
こういうことを知っておけば、「なんだかいつもと違う」「なにかおかしい」と思ったくらいで対処できるので、悪化させずにすむ可能性があります。なにせこの対処法は、うちでできてお金がかかりません(^^;
ちなみに、乳腺炎のときに母乳がしょっぱいと感じるかもしれません。これは開いた細胞のスキマからナトリウムNaが入るためです。初乳のときも開いているのでしょっぱいですね。赤ちゃんに悪い影響はありません。
ミーナさんは熱が高いために、お医者さんの診察では感染性乳腺炎が疑われ、抗菌薬が出されたようです。ミーナさんは薬の影響を心配していますが、このお薬は安全に飲めます。お薬が終わらないうちによくなっても、最後まで出された分飲みきることが大切です。
高熱が出たり、症状が軽くてもなかなかよくならないときはお医者さんに行くことがすすめられます。
参考文献:母乳育児支援スタンダード 医学書院
母乳育児支援講座 南山堂
JALCサイト、資料ダウンロード、
母乳育児医学アカデミー(ABM)の臨床指針、
「第4号 乳腺炎」 2008年改訂版翻訳文(2010.6.16)
だれでもできる母乳育児 メディカ出版

0-5ヵ月

Posted by sari