母乳で育つ子の体重や身長の伸びについて

赤ちゃんが人工乳で育つ場合と、母乳で育つ場合とで、成長の仕方が異なるのではないか?と経験からそのように感じる方は多いようです。
ちなみに母子手帳にある成長曲線は全ての栄養法の子どもが混ざっており、10年に一度改訂されます。これは厚生労働省のサイトにあります。
WHOにはThe WHO Child Growth Standardsがあります。生後6ヵ月まで母乳だけで育ち、その後は適切な補完食を食べ、お母さんがたばこを吸っていない、さまざまな人種の赤ちゃんから得られたデータだそうです。こちらからPDFで曲線を見ることができます。
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これはこの曲線が発表されたときにもらったWHOのポスターです。
Nancy Mohrbacher著 BERASTFEEDING ANSWERS made Simpleによりますと、栄養法を問わない今までのものよりも3ヶ月まではより早く成長し、3-12ヶ月はゆっくり成長する傾向があるのだそうです。
日本では日本母乳哺育学会のおしらせのところに「母乳育児の子には母乳育児専用の発育曲線を」という記事があります。
ちなみに成長曲線というのは、小さい子から大きい子までずらっと並べてみたものだそうです。そして位置を100までの数値で表します(パーセンタイル)。3パーセンタイルの子は小さいほうから並べて3番目の子ということになります。だから、どんな曲線ができても必ず3パーセンタイル以下の子は3人いるのです。sariの3人の子どものうち、2人は赤ちゃんのころは3パーセンタイル以下にずっといました。(sari家は身長の高い人がいない家系なのでその影響かもしれません。子どもは健康でした。しかし検診などでは「健康を確認する」目安の数値ではあるようです)
sari自身が赤ちゃんのときの母子手帳を見ますと、曲線は「大、中、小」の3本のラインがひかれています。毎月の体重の記録がありますが、「中」のライン上に体重があれば「標準」と書かれ、それ以外の月には「+2%」とか「-4%」という記録があります。どうもここでは計算して「中」のラインから何パーセント外れているかを書かれたもののようです。パーセンタイルの概念上、真ん中は小さいほうから数えて50番目に当たります。それを「標準」というとらえ方をした過去のsariの母子手帳はなにか違うな~という感じです。sariの母はこの標準値を目指して、sariに食べさせるのにとても苦労したといいます。少しでも「標準」にかければそれはそれは気にしたし、母乳のせいだといわれて人工乳で育てたそうです。
成長曲線にそって成長しているかどうかを知ることは大切な成長の目安となります。そのときそのときのパーセンタイル値に一喜一憂するのではなく、どのようにその子が大きくなっていくか、数値の記録以外のことも診てもらいながら、赤ちゃんが健康であることを確認しながら育てることができれば安心です。
参考文献:WHOのサイト
日本母乳哺育学会のサイト
CDC(Centers for Disease Control and Prevention)のサイト、特にGrowth Chartsのページ

BERASTFEEDING ANSWERS made sinple Hale Publishing


【1月26日追記】
母乳育児している子どもの成長曲線、といってもデータの取り方によっても違ってきますし、データを提供してくれた赤ちゃんとお母さんを支援するやり方でも変わってきます。紹介した表の3パーセンタイルより体重があれば絶対母乳は足りていて安心、ということではありません。

授乳中

Posted by sari