ミルクの作り方

離乳食に引き続き、とても大切な「ミルク(人工乳)の作り方」について書こうと思います。formula.jpg
この絵の違いが大切です。のちのち書こうと思います。
sariは1人目を母乳と人工乳で育てました。その頃はいつでも調乳温度のお湯!がうたい文句のポットが売っていました。sariはポットは持っていなくて熱湯で作って冷ますという昔ながらのやり方でした。
そのポット、当時はいつでも調乳温度で便利!ということで50度設定だったんです。これならちょっと冷ますだけ、泣いてる赤ちゃんを待たせないところがよいと思われたのでしょうね。実際冷ますのは時間もかかるし、便利だったんだと思います。
今の調乳ポットは70度以上のお湯です。これは2004年にWHOでEnterobacter sakazakii Cronobacter sakazakii (2015年9月11日訂正) という細菌についての話があり、厚生労働省でも注意を促しています。育児用調製粉乳中のEnterobacter sakazakiiに関するQ&A(仮訳)
この菌は70度以上で死滅するので、70度以上に調乳ポットの温度が変わり、人工乳を溶かす温度の説明も変わったのですね。
残念ながら
「現在の技術では無菌の調製粉乳を製造することは大変困難(厚生労働省サイト、上記ページより引用)」
だそうなので、調乳する人が70度以上にして菌を死滅させるしかありません。
海外ではこの菌による乳児の病気が報告されているそうです。
ちなみに、上記サイトによりますと社団法人日本乳業協会は
「80℃前後の熱湯による調乳、又は調乳後一旦80℃前後に一旦加熱後冷却する方法を推奨しています。(厚生労働省サイト、上記ページより引用)」
だそうです。
瓶や人工乳でお湯の温度が下がることを考えると70度ぴったりでは調乳した人工乳は70度以上にならないようですね。
2013年5月現在、社団法人日本乳業協会のサイトにはEnterobacter sakazakii Cronobacter sakazakii (2015年9月11日訂正) のことは書いてないようです。サイト内を粉ミルクで検索すると人工乳の歴史というページなどがあります(余談)
今はショッピングモールのフードコートにもポットがおいてあったりして、赤ちゃんもウェルカム!な環境が増えていますね。そのポットの温度はどれくらいでしょうか。70度以上の温度でないところがもしあれば、投書などで施設にお知らせすることは多くの赤ちゃんの健康を守ることにつながります。
2004年にこの話が出てきた、ということは今の小学3年生の子が生まれた頃です。sariみたいに高校生のお母さんだと知らないと思います。最初から40度ちょっとで溶かせばいいのよ~と思っている人だっていると思います。いつも書いているように、先達の経験から学ぶことは多いですが、この件に関しては科学的根拠ある上記方法が理にかなっていると思われます。
人工乳が必要な赤ちゃんは必ずいます。人工乳を安全に使うことができる時代は素晴らしいと思います。
ですが、使い方によっては安全でなくなる場合もあります。
安全に使う知識を持ち、実践することが大切です。
2015年9月11日追記
内閣府食品安全委員会のサイトに Cronobacter sakazakii について掲載があります。
2016年4月15日追記
CDCには Cronobacter というページがあります。RISKのところを引用します。

Almost all babies with Cronobacter have been fed powdered infant formula. Almost none have been fed only breast milk or liquid formula.

大変すくない数の報告だそうです。ですが、リスクのある赤ちゃんには影響があります。2011年に2人亡くなっているとも書いてあります(CDCなのでアメリカの国内ですね Investigation of Cronobacter Infections より)。
Learn About Cronobacter Infectionには

Rare, but Serious Illness in Infants

とあり、この細菌から赤ちゃんを守るためにできることが書いてあります。
「人工乳がリスクなのではなく、人工乳を適切に扱わないことがリスク」なのだとsariは感じます。

0-5ヵ月

Posted by sari