産後すぐに張って苦しい
ミーナさんの話はちょっと後戻りして、産後すぐにぱんぱんに乳房が張ってしまったときの話をします。
ミーナさんがかかった病院のような産後の授乳をすると、産後にぱんぱんにはって苦しくてたまらない、ということはあまりおきません。しかし、産後母子別室だったり最初の授乳までに1-2日時間が空いてしまうと乳房が張って苦しいということがおきる可能性があります。
もし赤ちゃんに飲んでもらえないと、ここで書いたようにホルモンの変化で母乳が作り出されてもそれが外に出ずにたまったままになるから張ってしまいます。
張った方が赤ちゃんがたくさん飲めていい、というのは間違いです。
飲んでもらわないと、FIL（母乳分泌抑制因子）の作用でいずれ作られる母乳の量が減りますし、赤ちゃんにとって必要な脂肪分がたくさん含まれた「後乳」があまり飲めません。
予防が最大の防御ですが、そうなってしまったらどうしたらいいか、ですね。
あまりに張りが強すぎると赤ちゃんがうまく吸い付けないので、ちょっぴり搾乳してやわらかくする、という方法があります。もっとひどくなってしぼることも難しいときには、乳房のリンパの流れを促すように軽くなでるのも効果があるといわれています(そっと羽でなでるくらいの力加減で）。むくみをとるために乳房にたまった水分を少し戻してあげるような方法もあります。それが Reverse Pressure Softening と言われるものです。
この英単語で検索すると動画などもありますので参考にしてください。
では、模型を使った写真です。
これは誰かにしてもらうのではなく、お母さんが自分でする方法です。乳輪に当てた指を手前（胸壁）に向かって押し、60秒かそれ以上そのままにします。痛いほど強くはしません。
これをすることで一時的にむくみがとれます。そこで赤ちゃんに授乳するとうまくいくことがあります。
参考文献：http://www.breastfeedingonline.com/rps.shtml
母乳育児支援スタンダード