食べ物で数少ない注意点
食べ物に関して、何かを食べると母乳育児によい、という科学的根拠はとくにありません。
量を増やすのに役に立つかも?と言われるハーブはありますが、研究が待たれます。
と言っていますが、「食べ過ぎることで害になる」「全く食べないことで危険」ということはあります。
食べ過ぎると害になる、というのは大概の食べ物がそうといえるかもしれません。有名どころではおしょうゆですね。水ですら水中毒というのがあります。
「妊娠・出産ケアガイド―安全で有効な産科管理」には以下のように書かれています。引用します。
対照研究の結果によれば、母乳育児中の母親が水分摂取を増やせば乳汁分泌がよくなるという証拠はない。
「母乳育児支援スタンダード」には、必要以上の摂取は分泌を減らすとかいてあって、その部分の参考文献はBreastfeeding and Human Lactation. 3rd edのchapter15にあります。手元にこの本があるので調べましたら、確かにそのように載っていました。
そして、「全く食べないことで危険」のほうはあまり知られていません。
何を全く食べないと危険なのか、それは動物性の食品です。
なんとなく野菜>魚>肉 の順でヘルシーだとうたわれる世の中ですが、では全く食べないとどうなるのでしょうか。
もし、授乳中のお母さんが動物性のものを全く食べないとすると、母乳中のビタミンB12が足りなくなります。そうすると赤ちゃんはビタミンB12欠乏症になります。これが怖いのは
「ビタミンB12欠乏症は、潜在的に深刻で不可逆的な障害を脳と神経にもたらしうる。」からなのだそうです。
そのほか「巨赤芽球性貧血(悪性貧血) 」の可能性もあります。
何を食べるか、はご本人の意志が尊重されるべきです。
例えば宗教的な理由かもしれませんし、アレルギーなのかもしれません。
その場合はサプリメントを適切に飲むことで、赤ちゃんへの影響を防げます。
ちなみに、植物からできたサプリメントもあるそうです。
ヘルシーというイメージで自分とわが子の健康のために選んだ食事が、赤ちゃんの健康によくない影響を及ぼしたら悲しいですよね。イメージだけではなく科学的な側面を知った上で選択することが大切です。
参考文献:Breastfeeding and Human Lactation. 3rd ed Riordan
母乳育児支援スタンダード
ディスカッション
コメント一覧
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母乳トラブルに苦しみ、睡眠時間を削って色々調べているうちここに辿り着きました。
現在、桶谷式に通っています。毎日のように詰まり、しこりを繰り返しています。
もう母乳育児をやめたいくらい。
その中でいつも言われるのが食べ物です。ご存知だと思いますが、桶谷式では肉を食べないようにと指導されます。他にもたくさん食べてはいけないものがあり、もう何を食べれば詰まらないかわからないくらいです。
白米、野菜、納豆、しらす。毎日こればかりです。桶谷式いわくそれで充分、との事。もともとお肉は苦手なのでお肉に関しては制限されてもそれほど苦痛ではなかったのですが、
しかしこの記事を読んで震えました。他にも(ここのサイトに限らず)桶谷式の指導する授乳方法が間違いだという記事があったり。
(片方3分、逆にスイッチして5分と指導されました)
それでも近所に頼れるしこり取りが桶谷式しかないので通うしかありません。
どうすれば詰まらなくなるのか調べれば調べるほど途方にくれます。詰まりやすい状態では断乳もさせてもらえません。
食事をいくら制限してもやっぱり毎日詰まります。いっそ、食べなければいいのか?!という気持ちにさえなります。
私はどこに助けを求めれば良いのでしょうか。授乳姿勢やくわえさせ方、頻回授乳など私なりに試行錯誤しながら頑張っているのですが、私のやっている事は赤ちゃんにとって逆効果なのでしょうか…まとまりのない文章ですみません。
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こんにちは。辛い状況の中、赤ちゃんに母乳をあげたい一心でがんばって来られたこと、伝わってきます。しこりがひんぱんにできて不安と痛みの中、まりりんさんは赤ちゃんのために情報を探して出来うる限りのことをしてこられたのですね。
この記事の心配な点は「動物性食品を食べない危険性」でしょうか。しらすは食べてらっしゃるのでまったく食べておられないわけではありませんよね(^^) かつおぶしは大量には食べられませんが、これも動物性の食品です。もしかしたら、よく考えてみたら意外と食べておられるかもしれないな、と感じました。
もう食べなければ詰まらないのかしら、と思いつめるほど、これ以上なにをしたら改善されるのか先が見えなくて不安なんですね。
http://mina2012.com/blog-entry-36.html
にも書きましたが、実は手術のため絶食中に乳腺炎になった方がおられます。食べ物だけが原因ではない例です。
ですが、食べ物についてはわかっていないことも多く、実際経験的に「これだけは自分にとってダメ」という方もおられます。それは否定するところではありません。気づかないようなアレルギーがあるのかもしれないし、もしかしたらその食べ物となにか一定の状況がワンセットになっていることがあるのかもしれません。決めるのはお母さん自身です。
毎日のようにつまり、と書かれておられますね。病院にはいかれましたか?感染性の乳腺炎の場合、繰り返すことが多いと文献にあります。抗生物質を飲んで完治すれば再発は防げるようです。医療者でも外から見ただけでは、感染のある乳腺炎かどうかはわからないそうですので、一度確認されてもいいかもしれません。
抱き方、吸わせ方もきっと本やサイトを見て工夫してらっしゃるのですね。これは写真や図を見ただけで出来るお母さんは少ないところです。なにか母乳に関して情報を得られるところはありませんか?母乳で育てるお母さんのサークルに参加すると、実際に効果的に飲み取れる抱き方や吸わせ方を教えてもらうことができると思います。(例えばラ・レーチェ・リーグなど)
母乳育児情報は「正解」も「間違い」もないかもしれません。分類するとすれば
1:言い伝え
2:経験的によさそうなこと
3:科学的なデータを元に有益であること
かなと私は思います。今後1や2の中にもデータが出れば3に移行することもきっとあると思います。
科学的根拠を基にした支援はIBCLC(国際認定ラクテーションコンサルタント)が実践しています。地域にもよりますが、出張専門で開業しているIBCLCの助産師さんもいらっしゃいます。
ほかにもさまざまな「方式」の手技や指導を行う方がおられるようです。きっともうたくさん調べられたのでしょうね。その中から自分が納得できる方法と巡り会えるのが幸せなことですが、人間はおのおの限界があります。遠方に通うことは出来なかったり、経済的、時間的限界など、多くの障壁があります。私にも「こうできたらいいのに」と思うことはたくさんありますが、できないこともたくさんあります。まりりんさんはもうすでにせいいっぱいがんばってらっしゃいますから、その上で決めたことはどんなことでも価値があると思います。
もしよかったら
http://mina2012.com/blog-entry-60.html
にもそんなことが書いてあるので読んでみてくださいね。
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丁寧なお返事ありがとうございました。育児に間違いがないからこそ迷ってしまう部分もありますね。もっと気楽に考えられたら良いのでしょうが、今の子が最初で最後です。経済的にも年齢的にも二人目は難しそうです。やり直しと言っては一人目の子に失礼ですが次の子で罪滅ぼし(?)が出来ない分、なるべくベストな育児を!と気負ってしまう気持ちがあるのかもしれません。
リンク先も読みました。とてもよくわかります。仰る通り選ぶのは当人、しかし情報は必要だと思います。
甘いものがいけないのではなく、疲れていたから甘いものを欲した、など実はその背景に原因がある場合がある、などは目からウロコでした。
選択肢はいらない、今最適な答えだけが欲しいという方も確かにいるし物事の捉え方は様々ですが私は選びたいと考えます。
ところで感染性の乳腺炎の話ですが、私の状態も乳腺炎なのでしょうか。乳腺炎と言うと寒気から発熱があるものをそう呼ぶイメージなのですが、私の場合それはないです。しこり部分は熱を持ちますが発熱しません。
もし抗生物質で治るならそんなに楽な事はないですね!受診するなら産婦人科でしょうか。
ポジショニングも桶谷では二度ほど指導を受けましたがその場では納得しても帰宅するとあれれ?これで良かった?となってしまいます。一度じっくり教わってみたいですね。ラレーチェリーグもサイトは見てました。近所ではないので、書かれている通り出来ることの限界でしょうか。残念です。
片方の乳を飲みきるまであげる、時間をはからない、を昨日から実践してますがなかなか大変ですね。
反対側がぎゅーぎゅー湧いているのがわかるのにそれをあげない事に違和感を覚えますし、片方がすぐにパンパンになってしまいます。これを乗りきれば今までと違うものが見えてくるかも、と期待して頑張っているのですが…。
今後も色々な情報、楽しみにしています。断乳出来ない以上、何とかしてこの乳房と付き合っていくしかないので(>_<)
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こんにちは。乳腺炎は炎症ですが、慢性化することもあると文献にありました。しこりといっても要因はひとつではありません。医学的判断ができるのは医師だけなので、”目で見て”医学的な確認をしてもらうことは、選択肢のひとつだと思われます。しこりに限らず症状があまりに長引くものは心配な状況でないことを確認すると安心できます。もしそれで乳汁がそこにとどまっているだけのしこりだと分かれば、安心して授乳を続けられますね。
飲み終わるまで片方だけだと、もう片方が張りすぎて苦しくなるほどたくさん母乳が作られているんですね。赤ちゃんの飲む量より多く作るのでしこりができているのかもしれないですね。
http://mina2012.com/blog-entry-21.html
でご紹介したように、出たぶんだけ作られます。中には必要以上に搾乳することで分泌のバランスがなかなかいい具合にならない、というお母さんもいます。張りすぎたのを完全にすっきりするまでひんぱんにしぼること、やはりたくさん作られます。そうはいってもすっきりと楽になりたいですよね。
多すぎる生産を抑えるのに効果があるとされる方法はあります。上記の体の仕組みを逆に使う方法なのですが、乳腺炎になりやすいお母さんにとってはその方法はちょっと勇気がいるかもしれません。ある時間例えば3時間はほしがっても片方の乳房だけからあげる、次の3時間は反対側だけからあげる、というような方法なんですけど、これは赤ちゃんが母乳がしっかり飲めて体重増加がよいこと、そして乳腺炎にならないように医学的なフォローが必要なんじゃないかと思います。そして不安な気持ちをサポートしてくれる人も。
ネットで探すと広告ページが上位にヒットします。ネットで探す情報はある意味偏りがないとは言えないので、実際見てもらえる方をネット以外の口コミ情報などで探してみるのもいいかもしれません。母乳に理解と知識のある医療者にめぐりあうのはなかなか簡単にはいかないことですが、まりりんさんを支えてくださる医療者に巡り会えますように。
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もともと分泌は多めで、桶谷では飲ませる前に搾って、飲ませた後も搾るように指導されました。
結果、より分泌が良くなってしまったのかもしれません。
三時間ごとに交換する方法は、実は今試している方法より先に試しました。
しかしそれだとある時間は例えば右を三回吸わせられたのに、次の左は一回だけで三時間経ってしまうという事が起き、しこりが出来てカンカンになってしまい断念しました。(幸いその時は自分で詰まりを取ることが出来、しこりはなくなりました)
今は片方を飲ませ、次に欲しがった時反対を、と交互に与え、どうしても辛いときだけ反対側も少し飲ませ、搾乳をしないようにしています。
これで少しでも辛さが改善されれば良いのですが…。
お忙しい中、とても丁寧なお返事本当にありがとうございます。
娘のためにも、母子ともにストレスのない方法が見つかるように、サークルも含めまた探していきたいと思います。
ありがとうございました。更新頑張ってください(*^^*)
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まりりんさんは自分にあった方法を選択して、さらにそれをご自身の状況に合わせて工夫しておられてステキです(^^)
振り返ってみると搾った量が多かったので、産生が増えたのかもしれないと気づかれたのですね。少し時間はかかるかもしれませんが、うまく行くことを願っています。