シンプルに考える

授乳について語ると、できない人はどうするの?という話があります。できない人に挫折感を味わわせてはいけないと思うやさしい思いやりですね。
割と世の中「できない」ことにあわせるのが「やさしい」と思われることはあります。でも、それが行き過ぎてしまうと、お母さんと赤ちゃんに利益のあることを知らせず、かえって情報不足による育児が難しくなったりすることがあります。あとから本当のことを聞いて、がっかりしたり後悔したりするかもしれません。実際、母乳もミルクも同じと聞いてミルクを選んだあとで、違いがあると聞いてショックを受けた話をきいたことがあります。誰にも今現在科学的に根拠あると考えられている情報を伝えることは、多くのお母さんの助けになるでしょう。
全ての人に母乳で育てることの有益性を伝えることはいけないことではないとsariは思います。お母さんの個人的状況にあわせた物事の伝え方が必要で、さらに個別のフォローが必要になるのだと思います。そしてそれを知ってどうするかを決めるのはお母さんであって、支援するほうではないのです。あとから振り返ってその人ができる範囲でベストを尽くしたわと思えるといいなぁと思います。母乳育児支援というと、母乳だけで育てたお母さんが素晴らしいと誉められるから印象が悪い、という話も耳にします。そんな評価はしたところで何か有益なことがあるわけではなく、お母さんの自信を揺らがせるだけかなと思います。誉めるのは悪いことではありませんが、他人との比較で誉めるのはどちらにとっても居心地悪く感じそうです。もし誉めるとしたら、その人の決断と行動かなと思います。もし、望むような母乳育児が困難だと思われる人が有益性を聞いてただただ悲しいだけと感じるならば、支援が不足しているのかもしれないと思います。全部母乳だけで育てることが大切というわけではないし、そうならなくてもお母さんの価値は損なわれません。
sariは上の子の育児でまさに↑な経験をしました。有益性を知らなかったことと、科学的根拠ある方法を知らなかったことで、挫折感いっぱいでした。それをフォローして前向きに考えられるような話をしてくれた数多くのお母さん、医療者の人に感謝しています。できなかったことの多かった1人目の育児ですが、有益性を知っていたから2人目3人目はより望みがかなうことになりましたし、娘がいるのでこの子が大きくなったときにこの知識や伝え方が役立つといいなぁと思います。

所感

Posted by sari