お酒について 血中アルコール濃度を考える

お酒についてに追加情報です。前回、しぼって捨てても意味はないこと、お母さんの血中アルコール濃度=母乳のアルコール濃度になると書きました。
Twitterで先に紹介しました Breastfeeding mums rejoice! You can drink alcohol (Christmas or no Christmas)
このブログでも時々取り上げる Dr.Jack Newman(カナダの小児科医。3度ほどお会いしましたが、お話がおもしろい方です。翻訳本に 「母乳育児が必ずうまくいく本―誰もが知りたかった知恵とコツのすべて」 があります)と Dr.Carlos González(スペインの小児科医。翻訳本に 「うちの子どうして食べてくれないの?―授乳から幼児食まで」 があります)の話が掲載されています。
Dr.Carlos Gonzálezのほうは、お母さんの血液中のアルコール濃度について書いています。0.55パーセントが致死量らしいです。これをネットで調べますと、大体0.4-0.5が致死量として多くのサイトに掲載されています。ひとつ例として帝京大学のサイトを引用します。(改行はsariによる)
アルコール血中濃度とその効果を列挙してみます。

0.1%で「ほろ酔い」、
0.15%「立つとふらつく」、
0.3%「まともに歩けない(千鳥足)」、
0.5%「呼吸麻痺・死亡」。行き倒れ異常死体から血中アルコールが「0.4%」検出されると、急性アルコール中毒死として処理されます。

だそうです!!!
Dr.Carlos Gonzálezによりますと、イギリスでは0.08までは飲酒運転にならないのだとか。日本は飲料メーカーのキリンのサイトがわかりやすいです。血中濃度0.03%で酒気帯びです。
Drは、致死量の血中濃度の倍の1%まではアルコールフリー飲料として合法だと書いています。なので酔ったお母さんの母乳は「アルコールフリー」と瓶詰めしてラベルつけられるというジョークを語っています。
飲んじゃったからもう断乳したほうがいい、というのは科学的に考えて妥当であるとはいえないようです。
とはいえ、飲みすぎはやはり心配です。特に添い寝の習慣があるときに、自分でコントロールできなくなる酔った状態では、添い寝のリスクが高まります。
ノンアルコールと表示があっても、アルコールをふくむものもあります。たくさん飲めば酔うケースもあるようです。(参照:ノンアルコールビールはどれだけ飲めば酔うか デイリーポータルZ)
お酒は一滴でも飲んだら授乳してはならないわけではありません。飲むかどうか、どれくらい飲むかを科学的根拠ある情報を読んだ上で決めるのはお母さんです。
誰もが楽しくクリスマス、お正月のパーティシーズンを過ごせますように。


2016年4月7日 追記
ラ・レーチェ・リーグインターナショナルの読み物 BreastfeedingToday でも紹介されていました。
お母さん向けなので読みやすいです(英語) http://breastfeedingtoday-llli.org/alcohol-and-breastfeeding/

授乳中

Posted by sari